« 2010年04月 | メイン | 2010年06月 »

2010年05月02日

ITIワールドシンポジウム後編 生還しました

 ( 注 : 話しの流れ上,前編からご覧ください.)

さて,19日にゆっくり日本に帰る予定が,,急遽帰られなくなり
18日の深夜にいきなりバスでジュネーブからフランクフルトに
向かうことになった私,たかひろ.

150人ジュネーブにいた日本人は,それぞれの判断で
パリへ行く人,スペインへ行く人,ミラノへ行く人,
アテネに行く人,など,まるでポセイドンアドベンチャーの様に
分かれていきました.

volcano (27).JPG
我々グループ約30人は,このバスに乗って国境を越えてドイツへ.
8時間かけてフランクフルト空港へ.

volcano (28).JPG
翌日,午前中にはフランクフルト空港に到着.
ほぼ全便,キャンセル Annulliertの文字が並びます.
再開の目処は全くなく,数日から数週間....空港閉鎖.
再開は5月に入るのでは?という話しも.

volcano (29).JPG
JTBの方から,チケットを渡され
「自分でどうするか決めて自力で交渉してください」
と言われ,,,,.
こういう時は最後は自分で切り開くしかないのだなと自覚.

どのカウンターでも あっち行け,こっち行け で,
リーダーを失った我々はあちこちのカウンターをさまよい
ながら交渉.人によって戦利度合いが異なってきました.

私は,なんの保証もないキャンセル待ちの紙切れをもらい
24日関西空港行きの予約?が取れたらしい(口約束)状態で
フランクフルトのホテルへ戻りました.

volcano (30).JPG
ホテルは1泊だけ. 明日からはいよいよ宿無し.
ホテルのロビーで,30人程度になった不安な我々のグループ.
JTBの人に詰め寄る.

volcano (31).JPG
フランクフルトは素敵な街です. が,気持ちに余裕がないので
まったく観光をする予定を考えられませんでした.
風情ある旧市街地のたたずまいと,先進的な高層ビル群

volcano (32).JPG
数人の先生方と,フランクフルト市街をさまよい歩くことに.
旧市庁舎前のレーマー広場で. 
このメンバーが後の「チームボルケーノ」になるのでした.

volca784.JPG
アイゼルナー橋を徒歩で,マイン川を渡り
向こうに見えるドライケーニッヒ教会の手前のレストランで
食事にしました.

volcano (34).JPG
この時にいろいろな先生方とお知り合いになることができました.
これからの苦楽を共にする決起集会のような食事でした.

volcano806.JPG
遠くから見て気になる大聖堂があったので,徒歩で近づくと
バルトロメウス大聖堂という建物でした.遺跡もありました.
20時過ぎてこの明るさ. タクシーでホテルへ.


volcano (35).JPG
ホテルのテレビでは依然猛威をふるう火山が中継されてました.
4/15成田発のヨーロッパ10日間というパック旅行者などは,
ヨーロッパに向かうロシア上空飛行中に,
突然の機長アナウンスで
「火山の影響により成田空港に折り返します」という事態で
機内のみの1泊2日という旅行になってしまったそうです.

翌日,有志数名でフランクフルト空港へ行くことになり
朝6時集合で空港へ向かいました.
空港ではまた,あちこちのチェックインカウンターを
さまよいながら,不確定なチケットに一喜一憂.

国民性なのだろうか,パニックしている乗客の横で
ドイツ人数人がほがらかな曲を楽しそげに歌い踊るんです,
まるで,沈みゆくタイタニックの乗客を落ち着かせるために
演奏家がギリギリまで演奏を続けた様に.(^_^;)

そんな演奏を聞いても落ち着くわけもなく,,,
それよりも,今日は泊まる宿がないじゃん!

volcano (36).JPG
疲れ切ってホテルに戻るも,,今日の宿泊先は未定です....
すべての荷物を持って,行き先もなくロビーでしばし仮眠.
「あ~どうなっちゃんだろ~」

volcano (37).JPG
結局,もうフランクフルトには泊まる宿はないので,
またまたバスで,今度はヴィースバーデンという街へ移動.
ヴィースバーデン中央駅です.

volcano (38).JPG
2000年近い歴史を持つ古い温泉町でもあり,あちこちに
温泉があったりカジノがある街なんだそうですが,,,気分的には
観光する気にもなれず.

volcano (39).JPG
市役所の地下レストランで,みなさんと食事に.
ドイツですから,やはりビールがうまい.
この泡の盛り上がりが素晴らしい.

volcano (40).JPG
大阪の大森先生,小嶋先生,飯田先生と.
この先生方のグループ,めちゃくちゃ楽しくて
危機的状況下のせいか,みな異様に楽しく盛り上がりました.

さて,24日まではチケットは取れないという状態なので,
これから毎日が戦いになるであろう,..ホテルは24日までの
5泊分を取った方がいいでしょう,とのことで,そうしました.

とはいえ,ゆっくり24日まで観光する気にもなれず,やはり
有志で早起きして空港へ行くことに.

深夜に,明日にはフランクフルト空港再開という怪情報が回り
あわてて荷物を整理していつでもダッシュできる状態で寝ました.

volcano (41).JPG
さて,今日から戦いだっ! チェックインカンターに並んで
キャンセル待ちチケットの交渉です.

volcano (45).JPG
どうしても今日の便に乗りたいのだ!と申し込んで発行してもらった
座席シート番号空欄のスタンバイチケット 

このチケットで荷物を預け,セキュリティチェックを受け,
出国審査を通り,B25ゲートに行きます.
そのゲートで,キャンセルが出た人に対して,名前で呼ぶとのこと.
その時にゲート近くにいなければ,即キャンセルという話しに.

なぜか,何人かは座席番号の入った確約チケットを
チェックインカンターでもらえた先生方もいて,,,,えーなんでー!
そんなー! 今日は無理っぽいと,ほぼあきらめモード.

volcano (42).JPG
通路には,宿のない人たちが空港内に住んでいました.
24日過ぎたら私もここで暮らすしかないと決意.

volcano (44).JPG
座席シート番号のない先生方は,祈るしかりません.
搭乗開始まで,まるで合格発表を待つ気分です.

この様な危機的状況下ではどうすると良いのか?
この数日で分かったこと.(たぶん)
 *朝からガッツが必要.
 *外国には公平という言葉はない.
 *目を見て,挨拶から,会話はにこやかに.
 *AMEXよりもスターアライアンスのANAカードの提示が効く
 *エコノミーでもファーストカウンターへ行ってみる

volcano (47).JPG
いよいよ,その時が! 
ゲートのカウンターで,苦悩の表情の係員...しばし.沈黙の後.
係 : 「S a t o....ta ka hi ro....」
     「Window or Aisle ? 」
私 : 「キタコレっ!やったThank you! Apreciate thatっ!」
    「うぃんどー うぃんどー I will 」

ということで,無事,座席番号の入ったチケットに交換!

合格発表は,モニタにも表示されました.
まさに合格発表状態,歓喜のルツボに!

volcano (46).JPG
手続きから合格発表まで,最後いっしょに過ごした安藤先生とともに. 
安藤先生,これまでの苦悩が表情に出ています.

結局,この日,空港に来てチェックインした先生方は
みな搭乗することができたのでした.


この数日,共にチェックインカウンターを何往復もして,
共にずっと立ち尽くし,歩き尽くし,そして共に不安の中
ビールを酌み交わした戦友達.
みなの団結力と成功を讃え,このメンバーを
「チームボルケーノ」と称することにしました.


volcano (48).JPG
チームボルケーノの先生方と,固い握手を交わし
いつの日か,また集まろうと約束したのでした.
あーーやっと 帰られる~ (^o^)v ブイ

(5泊分の宿泊費,,,,,もったいなかったぁ...)

volcano (49).JPG
火山灰吸い込んで,エンジン停止してないことを
たまに確認してみる. 

volcano (50).JPG
お決まりですが,(^_^;) 
アナウンス: 「当機はまもなく新潟上空です.」
わたし  :  「あ,はーい,1人,降りま~す!」

volcano (51).JPG
成田では,まるで芸能人になったかの様な気分.
到着ゲートにカメラクルーが数台,わーっと集まってきました.
気の利いた言葉が思い浮かばなかったので,
取材をかいくぐり,成田エクスプレスへ.

volcano (52).JPG
東京駅で,新潟までのチケットを取る.日本語が通じる!
 「なんてスムーズにチケットが取れるんでしょうっ!!」
そんなことに感激.
疲れ切った&安堵の表情です.

東京駅は,いつも通りなんだろうけど,
危機下のフランクフルト空港よりも,人が混雑していました.


volcano (53).JPG
新潟に着くと,ちょうど,今日は桜が満開の日でした.
めでたし,めでたし. 無事に生還できました.

まるちゃんは,もう海外行っちゃダメ!と迎えてくれました.
そんなぁ~..

投稿者 olive : 19:53

ITIワールドシンポジウム前編 学会に参加しました

私,たかひろは,ITI(International Team for Implantology)の
メンバーとして4/14-18に開催されたITIワールドシンポジウムに
参加してきました.
場所は,スイスのジュネーブです. ジュネーブは初めて行きます.

volcano (1).JPG
このところの無茶がたたって,当日には
いっきに風邪引き状態になってしまいました.とほほほ.
どんどん具合悪くなりそうな感じのまま,,,搭乗です.

volcano (2).JPG
案の定,,機内で高熱となり,,,つらいフランクフルト入りでした.
海外旅行前は無茶せず,体調を整えましょう~.とほほほ.

volcano (25).JPG
フランクフルトから空路でジュネーブに着きました.
フランスとスイスにまたがるレマン湖畔にあるジュネーブ.
大噴水を見ましたよ.140Mの高さだそうです.
38℃の熱はあるものの,,しばし見とれました.あぁ悪寒が.

着いてから気がつきましたが,場所がほとんどフランスなので,
言語は,フランス語なんですね~.....ぼ,ぼ,ぼんじゅーるっ!

volcano (3).JPG
ホテルは,グランドホテル ケンピンスキーというホテルです.

volcano (4).JPG
すぐさまホテルのファーマシーに行って,
つたない英語で症状を告げるも,,,
やはり相手は,,,,完全フランス語オンリーでした.(^_^;)

たかひろ:つたない英語
薬局店員:流暢なフランス語  という押し問答の末
よく分からぬまま買ってしまった,薬2つ.....
何の薬で服用量も分からない.
左のDAFALGANという方は,なんとなく,2錠くらいかな?と飲んでみた.
未だに,,,なんの薬か分からない...

volcano (5).JPG
緑色の方は,店員が確か「水なしですぐ飲め!」と言っていたような
気がしました. 開けてみると,チューブ状のドラック風デリバリー,,,,
水なしで飲んでみました. 
ヨシダの骨補填材アパセラムAX風の顆粒でした.

このまま寝て風邪を治したいところです....おやすみないさい.

volcano (6).JPG
翌日,具合悪いまま(あの薬局の薬イマイチ)シンポジウム会場へ.
前日開催のプレシンポジウムに参加です.
すべて英語,,,熱,喉,鼻で,頭になかなか入らない~.(-_-;)

volcano (7).JPG
その後,ITIの年次総会にITIフェローとして出席.
プレジデントになったブーザーの挨拶,会費の値上げ!の採決(あっさり)
添島先生の名誉フェローの発表,来年の総会はバルセロナ開催に,など
いろいろ採決されました.
その間,さらに具合は悪くなり,,,体調に後悔しまくりの私.

帰りは自力で電車でホテルへ. こっちの電車って,チケット買っても
改札も何も無いので,なんとなく乗ると,そのまま目的地で
なんとなく降りることができます.

volcano (15).JPG
なんと小学校です. 風格あるたたずまい...さすが.

そのまま寝るのも悔しいので,元ストローマンジャパン社長の村田さんや
原先生達とジュネーブ料理を食べようとレストランへ,,,..
でもバリバリのイタリアンレストランでした.
ピザ,パスタ,ワインをいただきました.ボーノー グラッツェミーレ♪ 

volcano (14).JPG
そのレストランのテレビに,,,なにやら火山の噴火が中継されていました.
「ふーん,,どっかの南の島が噴火したんだねぇ~」とみんなで
関係ない風に流していました.

今,思えば,これがすべての始まりだったとは....

そうとは知らず,早く体調を戻したい私は,早めにホテルに帰って
さらに あの怪しい薬を飲んで寝ました.

volcano (9).JPG
翌朝,いよいよワールドシンポジウム開催です.1日目.
実は具合悪いんですが,もったいないので,気合いで
充実したワクワクした気持ちで臨みました. 元気元気っ!
実は,ツライ,,,.

volcano (10).JPG
メイン会場.さすがに大勢のキャパが用意されいました.
すごい広大な会場です.Drブーザーの挨拶からスタートです.
誰ひとりとして,火山噴火の話しは無かったのでした.

volcano (8).JPG
学会帰りのお土産屋さんで.犬のぬいぐるみ発見.
スイスといえば,有名なセントバーナードと,
知られていないバーニーズマウンテンドック.

バーニーズマウンテンドック
ドイツ語読みでは,ベルナーゼネンフンド.
つまり,ベルン(首都)の山岳犬という意味です.
実は,うちにはこの犬がいるので,目を引かれてしまったのです.

volcano.jpg
これが,現物のバーニーズマウンテンドックです.うちの犬です.
生後9ヶ月の頃ですが,ぬいぐるみと同じ感じです.(^_^;)
上の写真と比べてみてくださいな.

volcano (24).JPG
学会2日目,朝のニュースで,,どうやらアイスランドの火山が噴火している
らしいことが,フランス語のニュースでも,なんとなく分かりました.
でも,相変わらず他人の事のようにしか思っていませんでした.
「へぇ~アイスランドは寒そうなのに,火山噴火するんだねぇ~」
キャスターは深刻な顔.

朝にITIの勝山先生に会ったら,
「帰れねーよーっ!」 「どうするの?」と聞かれ,,,分からぬ私は,
「??????」 「なんかあったんですか?」とボケる始末.
機転の利く先生方は,すでにこの2日目の夜から,行動を
起こしていたそうです.


volcano (11).JPG
さてシンポジウム2日目.とても盛大で,なんと参加者は4000人!
夜は,ストローマン主催のホワイトナイトパーティ!
深夜までパーティが行われました.
でも具合悪いので,夜更かしせずにホテルに帰って早寝...とほほほ
他の先生から,どうやら火山噴火の影響で日本に
帰られないらしいという噂を聞き.やっとで,今朝の勝山先生の
言っていた意味が分かりました. でもホントなのか??

volcano (16).JPG
さて学会3日目 最終日です.会場に行く途中の
国連欧州本部前の広場に巨大な椅子のオブジェがあります.
12mくらいの高さで,4本の脚のうちの1本が折れてます.
地雷反対を象徴しているのだそうです.


volcano (17).JPG
大会3日目最終日は,大御所ブーザー&ベルサーの同時講演です.
Surgical and prosthodontic management of esthetic complications

volcano (18).JPG
私は体調もやっと戻りつつあったので,気合い十分.
最終日はインプラントの失敗や合併症というトピックに絞った内容で
ブーザー&ベルサーの講演にワクワクしていました.
現在,そしてこれからのインプラント治療を予見するものでした.

volcano (19).JPG
学会3日目の帰り.とにかく夜が明るいんです.
19時だってのにこの明るさ.市民はみんなのんびりしています.
帰られずに焦る日本人,,,空は快晴で,,,,
どこにも火山灰は見えないけどなぁ~

volcano (23).JPG
最終日なので,明るい夜のうちに,旧市街を散策しました.
ジャン・ジャック・ルソーの生家

volcano (22).JPG
宗教革命記念碑 すぐ後ろがジュネーブ大学
記念碑の前で,モヒカンにした悪ガキ共が暴れていました.

volcano (21).JPG
サン・ピエール大聖堂あたりを散策して,見つけたオリーブの店.
Oliveという看板を見ると,つい入りたくなってしまいます.\(^o^)/
ここで,スタッフみんなのオリーブお土産を買いました.
どこがジュネーブ??と聞かないで...(^_^;)

volcano (12).JPG
夜は,大阪の中島先生に教えてもらった焼鳥屋に行ってみました.
ジュネーブの街に輝く「やきとり」のチョウチン! 目立ちます.

volcano (26).JPG
ちゃんと日本人の大将がやっていました.店員も日本人
「いらっしゃいませ~!」 「お飲み物は何にしますか~?」という
聞き慣れたフレーズ.
うーむ,ジュネーブに居ながらにして新潟の居酒屋風,,
これを良しとすべきか??

意外と,地元人にも流行っているようで,隣のジュネーブ人カップルは
箸を使って,なんこつや皮を美味しそうに食べていました.

volcano (13).JPG
夜のニュース. むむむ,空港がパニックになっているではないかっ!
まじですかいっ!

volcano (20).JPG
その夜,ホテルの入り口に特設された,緊急情報!!
北に火山灰があるのに,,,バスで北に向かうのかぁ~????
南に行った方がええんちゃうのぅ?
えっ,,AM2:00出発~っ!!! w(゚o゚)w えーっ!

いろいろお土産や,観光も考えていたのに,,,早々に寝て
明日,早起きっつーか,2時起きしなきゃ...

うわー 凄いことになってきたなぁ~~.....


...........後編に続く.

投稿者 olive : 19:44