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2010年05月02日

ITIワールドシンポジウム後編 生還しました

 ( 注 : 話しの流れ上,前編からご覧ください.)

さて,19日にゆっくり日本に帰る予定が,,急遽帰られなくなり
18日の深夜にいきなりバスでジュネーブからフランクフルトに
向かうことになった私,たかひろ.

150人ジュネーブにいた日本人は,それぞれの判断で
パリへ行く人,スペインへ行く人,ミラノへ行く人,
アテネに行く人,など,まるでポセイドンアドベンチャーの様に
分かれていきました.

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我々グループ約30人は,このバスに乗って国境を越えてドイツへ.
8時間かけてフランクフルト空港へ.

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翌日,午前中にはフランクフルト空港に到着.
ほぼ全便,キャンセル Annulliertの文字が並びます.
再開の目処は全くなく,数日から数週間....空港閉鎖.
再開は5月に入るのでは?という話しも.

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JTBの方から,チケットを渡され
「自分でどうするか決めて自力で交渉してください」
と言われ,,,,.
こういう時は最後は自分で切り開くしかないのだなと自覚.

どのカウンターでも あっち行け,こっち行け で,
リーダーを失った我々はあちこちのカウンターをさまよい
ながら交渉.人によって戦利度合いが異なってきました.

私は,なんの保証もないキャンセル待ちの紙切れをもらい
24日関西空港行きの予約?が取れたらしい(口約束)状態で
フランクフルトのホテルへ戻りました.

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ホテルは1泊だけ. 明日からはいよいよ宿無し.
ホテルのロビーで,30人程度になった不安な我々のグループ.
JTBの人に詰め寄る.

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フランクフルトは素敵な街です. が,気持ちに余裕がないので
まったく観光をする予定を考えられませんでした.
風情ある旧市街地のたたずまいと,先進的な高層ビル群

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数人の先生方と,フランクフルト市街をさまよい歩くことに.
旧市庁舎前のレーマー広場で. 
このメンバーが後の「チームボルケーノ」になるのでした.

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アイゼルナー橋を徒歩で,マイン川を渡り
向こうに見えるドライケーニッヒ教会の手前のレストランで
食事にしました.

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この時にいろいろな先生方とお知り合いになることができました.
これからの苦楽を共にする決起集会のような食事でした.

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遠くから見て気になる大聖堂があったので,徒歩で近づくと
バルトロメウス大聖堂という建物でした.遺跡もありました.
20時過ぎてこの明るさ. タクシーでホテルへ.


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ホテルのテレビでは依然猛威をふるう火山が中継されてました.
4/15成田発のヨーロッパ10日間というパック旅行者などは,
ヨーロッパに向かうロシア上空飛行中に,
突然の機長アナウンスで
「火山の影響により成田空港に折り返します」という事態で
機内のみの1泊2日という旅行になってしまったそうです.

翌日,有志数名でフランクフルト空港へ行くことになり
朝6時集合で空港へ向かいました.
空港ではまた,あちこちのチェックインカウンターを
さまよいながら,不確定なチケットに一喜一憂.

国民性なのだろうか,パニックしている乗客の横で
ドイツ人数人がほがらかな曲を楽しそげに歌い踊るんです,
まるで,沈みゆくタイタニックの乗客を落ち着かせるために
演奏家がギリギリまで演奏を続けた様に.(^_^;)

そんな演奏を聞いても落ち着くわけもなく,,,
それよりも,今日は泊まる宿がないじゃん!

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疲れ切ってホテルに戻るも,,今日の宿泊先は未定です....
すべての荷物を持って,行き先もなくロビーでしばし仮眠.
「あ~どうなっちゃんだろ~」

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結局,もうフランクフルトには泊まる宿はないので,
またまたバスで,今度はヴィースバーデンという街へ移動.
ヴィースバーデン中央駅です.

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2000年近い歴史を持つ古い温泉町でもあり,あちこちに
温泉があったりカジノがある街なんだそうですが,,,気分的には
観光する気にもなれず.

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市役所の地下レストランで,みなさんと食事に.
ドイツですから,やはりビールがうまい.
この泡の盛り上がりが素晴らしい.

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大阪の大森先生,小嶋先生,飯田先生と.
この先生方のグループ,めちゃくちゃ楽しくて
危機的状況下のせいか,みな異様に楽しく盛り上がりました.

さて,24日まではチケットは取れないという状態なので,
これから毎日が戦いになるであろう,..ホテルは24日までの
5泊分を取った方がいいでしょう,とのことで,そうしました.

とはいえ,ゆっくり24日まで観光する気にもなれず,やはり
有志で早起きして空港へ行くことに.

深夜に,明日にはフランクフルト空港再開という怪情報が回り
あわてて荷物を整理していつでもダッシュできる状態で寝ました.

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さて,今日から戦いだっ! チェックインカンターに並んで
キャンセル待ちチケットの交渉です.

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どうしても今日の便に乗りたいのだ!と申し込んで発行してもらった
座席シート番号空欄のスタンバイチケット 

このチケットで荷物を預け,セキュリティチェックを受け,
出国審査を通り,B25ゲートに行きます.
そのゲートで,キャンセルが出た人に対して,名前で呼ぶとのこと.
その時にゲート近くにいなければ,即キャンセルという話しに.

なぜか,何人かは座席番号の入った確約チケットを
チェックインカンターでもらえた先生方もいて,,,,えーなんでー!
そんなー! 今日は無理っぽいと,ほぼあきらめモード.

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通路には,宿のない人たちが空港内に住んでいました.
24日過ぎたら私もここで暮らすしかないと決意.

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座席シート番号のない先生方は,祈るしかりません.
搭乗開始まで,まるで合格発表を待つ気分です.

この様な危機的状況下ではどうすると良いのか?
この数日で分かったこと.(たぶん)
 *朝からガッツが必要.
 *外国には公平という言葉はない.
 *目を見て,挨拶から,会話はにこやかに.
 *AMEXよりもスターアライアンスのANAカードの提示が効く
 *エコノミーでもファーストカウンターへ行ってみる

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いよいよ,その時が! 
ゲートのカウンターで,苦悩の表情の係員...しばし.沈黙の後.
係 : 「S a t o....ta ka hi ro....」
     「Window or Aisle ? 」
私 : 「キタコレっ!やったThank you! Apreciate thatっ!」
    「うぃんどー うぃんどー I will 」

ということで,無事,座席番号の入ったチケットに交換!

合格発表は,モニタにも表示されました.
まさに合格発表状態,歓喜のルツボに!

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手続きから合格発表まで,最後いっしょに過ごした安藤先生とともに. 
安藤先生,これまでの苦悩が表情に出ています.

結局,この日,空港に来てチェックインした先生方は
みな搭乗することができたのでした.


この数日,共にチェックインカウンターを何往復もして,
共にずっと立ち尽くし,歩き尽くし,そして共に不安の中
ビールを酌み交わした戦友達.
みなの団結力と成功を讃え,このメンバーを
「チームボルケーノ」と称することにしました.


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チームボルケーノの先生方と,固い握手を交わし
いつの日か,また集まろうと約束したのでした.
あーーやっと 帰られる~ (^o^)v ブイ

(5泊分の宿泊費,,,,,もったいなかったぁ...)

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火山灰吸い込んで,エンジン停止してないことを
たまに確認してみる. 

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お決まりですが,(^_^;) 
アナウンス: 「当機はまもなく新潟上空です.」
わたし  :  「あ,はーい,1人,降りま~す!」

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成田では,まるで芸能人になったかの様な気分.
到着ゲートにカメラクルーが数台,わーっと集まってきました.
気の利いた言葉が思い浮かばなかったので,
取材をかいくぐり,成田エクスプレスへ.

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東京駅で,新潟までのチケットを取る.日本語が通じる!
 「なんてスムーズにチケットが取れるんでしょうっ!!」
そんなことに感激.
疲れ切った&安堵の表情です.

東京駅は,いつも通りなんだろうけど,
危機下のフランクフルト空港よりも,人が混雑していました.


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新潟に着くと,ちょうど,今日は桜が満開の日でした.
めでたし,めでたし. 無事に生還できました.

まるちゃんは,もう海外行っちゃダメ!と迎えてくれました.
そんなぁ~..

投稿者 olive : 2010年05月02日 19:53